飲食店の物件を探す際、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
Fond de commerce の購入(Cession de fond de commerce): 前のオーナーから営業権一式を買い取ります。すでに厨房設備や排気ダクトなどが整っていることが多く、改修費用を抑えやすいですが、購入代金(営業権譲渡代)が高額になる傾向があります。
Droit au bail(借地権)のみの購入: 中身(設備や顧客)は引き継がず、場所を借りる権利だけを買い取ります。内装がスケルトンに近い状態のことが多く、自由なコンセプトで改修できますが、工事費は高くなります。
行政手続きまとめ
フランスで飲食店を開業または改修する場合、物件の収容人数(ERPカテゴリー)に基づき、「都市計画上の許可」と「安全・アクセシビリティに関する許可」の両面から申請を進める必要があります。
都市計画上の申請
建物の外観や構造、用途を変更する際には、自治体(Mairie)への届出が必要です。
- 事前届出 (DP: Déclaration Préalable): 看板の設置、窓やドアの交換、外装の塗り替えなど、小規模な変更を行う場合に必要です。更新期間は約二か月
- 建築許可 (PC: Permis de Construire): 建物の構造部への介入、大幅な床面積の増築、またはオフィスから飲食店への「用途変更」を伴う大規模な工事を行う場合に必要です。更新期間は約三か月
3. ERPとしての専用許可(AT:設置・改修許可)
飲食店として営業するためには、都市計画の申請とは別に、以下の2点に関する審査を受けるためのAT(工事許可)申請が不可欠です。
- 火災予防 (Sécurité Incendie): 避難経路の確保、消火設備の設置、内装材の防火性能などが審査されます。
- アクセシビリティ (Accessibilité): 車椅子利用者などのためのバリアフリー基準(通路幅やトイレの広さなど)が審査されます。
- 第5類の特例: 第5類(宿泊を伴わない飲食店)の場合、火災予防(Sécurité Incendie)に関するATの事前審査は原則として免除されます。ただし、アクセシビリティ(バリアフリー)に関する審査と許可は、第5類であっても引き続き必須となります。
2. 専門家による検査と証明
フランスでは、営業開始前に以下の技術検査と適合証明が法的に求められます。
- 技術検査 (Technical Inspection):
- リスク予防のため、第三者機関による構造や火災安全のチェックが行われます 。
- 電気設備 (CONSUEL):
- 電気工事完了後、CONSUELによる適合証明書の取得が必須です 。
- ガス設備 (QUALIGAZ):
- 厨房でガスを使用する場合、QUALIGAZによる安全性の認証が必要です 。
